こんにちは、作編曲家のながしまけいじ(@nicorof_jp)です。
前回はひとつの音の中にもたくさんの音(倍音)が含まれていることがわかりました。
今回は倍音に含まれる音の中身に注目していきたいと思います。
もう一度低い『ド』を押した時の倍音の様子を見ていきましょう。
低い音から順にド、ド、ソ、ド、ミ、ソ、シ♭、ドが同時に鳴っているのがわかります。
さらにそのなっている音の数にも注目してみましょう。
・ドが基音(最初に鳴らした音)を含めて4つ
・ソが次に多く含まれ2つ
・続いてミが1つ
・最後にシ♭が1つ
感の良い方は既にお気付きかもしれませんが
この構成音どこかで見覚えはありませんか??
そうなんです。
ド・ミ・ソからなる3和音、Cメジャーですね。
ドをひとつ鳴らすことですでにメジャーコードが同時に鳴っていたのです!
さらに高次倍音(高い方の倍音)まで着目していくと
ド・ミ・ソ・シ♭からなる4和音、C7というセブンスコードが鳴り響いているのです!
いわゆるブラックミュージックのひとつでもあるブルースなどはセブンスコードを含みますね。
これは今だになくならない人種差別の中の影響下で悲痛な思いを歌にしたものですが、高次倍音まで聴き取れた影響でセブンスを多用したコード進行にもなったという説もあります。
初期のクラシック音楽は横の動きである旋律から派生した響きによるものが大きいため、三和音の響きが(メジャーorマイナー)多く見られる傾向にあります。
この辺りはまた深掘りしていく題材にしていければと。
まず今回は1つの音にはメジャーコード(もしくはセブンスコード)がすでに含まれている!
というところを理解していただければと思います。