色々な響き(色彩)その2

こんにちは、作編曲家のながしまけいじ(@nicorof_jp)です。
前回は4和音の響きについてお伝えしました。

今回はメジャーの響き(自然の響き)に色々な3和音を組み合わせて響きの可能性を探ってみたいと思います。

やり方としてはルートで鳴らす音以外(今回はド以外の11音)の三和音の組み合わせになります。
ベースの上に重ねる三和音には、それぞれメジャー・マイナー・aug・dimなどを組み合わせて、いろんな色彩を堪能してみてください。

全てをやると膨大になってしまいますで一部だけやってみますね。

例1)
ルート:ド
上に重ねる三和音:Dメジャーコード(レ・ファ♯・ラ)
上記の押さえ方をテンションとして表記すると、、、
複雑な印象がありますね。
↓
これよりも『響きの三和音をルートの音に組み合わせた』と意識した下記のような表記が、イメージしやすいのではないかと考えます。
↓
ではこのコードの響きを聴いてみましょう。

今度はあえて、ぶつかっているから使う際に注意が必要とされる、半音上の音でやってみましょう。
例2)
ルート:ド
上に重ねる三和音:D♭メジャーコード(レ♭・ファ・ラ♭)

同じく上記の押さえ方をテンションとして表記すると





♭系のテンションも入り、更に複雑に感じる、、、


しかし、『響きの三和音をルートの音に組み合わせた』と意識した表記にしてみると
↓
かなりシンプルにイメージできると思います。

こちらのコードも聴いてみましょう。

複雑な響きがしてきましたね。
しかし、テンションは必ずしも3つ含まれているとは限りませんね。
例えば、
さきほどのコードより11thの音が抜けているのがわかります。
実はこれは上の響きの三和音をメジャーからマイナーに変化させたことによって
もともとのメジャーの響きを持った倍音の構成音と同じになったため省略されているのです。

譜面だとこんな感じです
↓








11thのファの音が半音下がることによって倍音に含まれるミに変化しています。
三和音の響きはメジャーからマイナーに変化しているだけなんです。


こちらの響きはこんな感じです。
これまでお伝えしたように、下のベース音(単音)+コード(和音)という響きは
『オンコード』として理論書などには書かれいると思います。
イメージとしはルートの倍音にいろんな色彩を加えるためにやっていると捉えるとあまり難しく考えなくて済むのではないかと思います。



あとはジャズで用いられる『アッパー・ストラクチャー・トライド』も
コード(和音)+コード(和音)で演奏するスタイルです。
これもじっくり紐解いていくと、下のコード(和音)も倍音に含まれるメジャーやセブンスの響きだったりもします。
ちなみにトライアドは三和音という意味です。


今後、コード表記でテンションが出てきたらルートに対してどのような響きを重ねて色彩を作っているのか考察してみるものおもしろいかと思いますよ。

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